新築一戸建てで「プロパンガス」と「都市ガス」選びに迷っているなら、特徴の違いを知れば簡単に正しい選択ができます。
光熱費に関わる選択を誤ると、長期的に無駄な費用が積み重なり、想像以上に損してしまうので注意が必要です。
今回は「プロパンガス」「都市ガス」7つの違いと、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
プロパンガスと都市ガスの違いをしっかりと見極めて、毎月の固定費をできる限り安く抑えるようにしてくださいね。
新築一戸建てプロパンガス(LPガス)と都市ガス7つの違い
新築一戸建てでプロパンガスと都市ガスのどちらかを設置した場合、主に7つの違いがあります。
主な7つの違い
- 使用できる場所の違い
- 初期費用の違い
- 毎月支払う料金の違い
- 災害時の普及の早さの違い
- 熱量の違い
- 重さの違い
- 爆発や燃焼を引き起こす危険性の違い
順番に詳しく解説します。
使用できる場所の違い
まずはじめに、都市ガスとプロパンガスは、使用できる場所が違います。
都市ガスは、地下に埋め込まれたガス導管がある都市部に限られます。
地下にガス導管を設置する都市ガスは膨大な費用がかかるため、利用者の多い都市部じゃないと運営会社が費用を回収できないからです。
プロパンガスは、ガスが充填されたボンベと簡単な装置があればどこでも設置が可能です。
都市ガスの導管普及エリアは、日本の面積の約6%しかないので、約94%の地域はプロパンガスを利用することになります。
初期費用の違い
新築一戸建てで、プロパンガスまたは都市ガスを利用する場合、初期費用も大きく異なります。
前提として、都市ガスを利用するには、ガス導管が敷設されている対応地域に限られます。
対応エリア内でも、一戸建ての場合、給湯器やガス機器の費用はもちろん、別途住宅に引き込むための工事費10~20万円程度が必要となります。
プロパンガスはほとんどの場合、給湯器などのガス機器や装置の設置費用をガス会社が負担します。
初期費用は0円ですが、完全無料というわけではなく、実際には毎月支払うガス料金に上乗せされています。
それでは、このプロパンガスと都市ガスの料金の違いを見ていきましょう。
毎月支払う料金の違い
プロパンガスは、都市ガスよりも約2倍も高いといわれています。
都市ガスは、ランニングコストがほとんどかからないのに比べて、プロパンガスは設備の初期費用に加えてガスボンベの配送費用が毎月の支払いにプラスされています。
また、プロパンガスはその地域で顧客を奪い合うような価格競争を業者同士が避けているので、価格が安くなりにくいのです。
ガス料金は公共料金というイメージが強いので、プロパンガス業者の乗り換えで安くなるということが認知されていないのも価格競争が起こらない大きな理由です。
さらにプロパンガスは、業者が自由に料金を決められる自由料金なので、知らないうちに適正価格を上回る金額を請求されるといった闇もあります。
一度、あなたが住んでいる地域のガス料金の相場価格とプロパンガス最安値を『enepi(エネピ)』で確認してみてください。
プロパンガス会社を乗り換えるだけで、年間5万円以上も安くなる事例が多くあります。
料金調整の闇を回避できるシステムもあるので、騙されたくないという方は上手に利用したいですね。
災害時の普及の早さの違い
プロパンガスは、地震など自然災害時に普及が早いというメリットがあります。
プロパンガスは、各設置場所の「ボンベ」「配管」「ガス機器」の安全性が確認できれば使用を再開できます。
それに対して、都市ガスの復旧作業は2000~3000軒ほどの地域で分割されているので、地域内のガス導管の安全確認が終了しないと再開されません。
都市ガスは、地下に埋め込まれているガス本管から細いガス管を通って各家庭に引き込まれています。
地震などの災害時には、ガス本管の損傷具合をチェックし、安全に使用できることを確認してから供給が再開されるので、どうしても復旧に時間がかかります。
プロパンガスは個別供給なため、家屋の設備点検だけで復旧できるうえに、通常約1ヶ月分のボンベが2本セットで設置されているので、災害によってガスボンベの配送が滞ってしまった場合も安心です。
熱量の違い
プロパンガスと都市ガスで大きく異なるのが「熱量」です。
都市ガスは、1㎡あたり約11,000kcalに対し、プロパンガスは1㎡あたり約24,000kcalと大きく異なります。
とはいえ、同じガス機器であれば、どちらも「火力」は同じです。
重さの違い
プロパンガスと都市ガスの違いに「重さ」があります。
プロパンガスは、空気よりも重いので、室内でガスが漏れた際には床面にたまります。
反対に、都市ガスは空気よりも軽いので、室内でガスが漏れた際には天井付近にたまります。
また、プロパンガスと都市ガスは、空気中にガスが充満した際に、爆発や燃焼を引き起こしてしまう濃度の量が違います。
それでは、どちらのほうが爆発や燃焼を引き起こしやすいのでしょうか?
爆発を引き起こす危険性の違い
プロパンガスと都市ガスが空気中に充満し、爆発や燃焼を引き起こしてしまう濃度の量は次の通りです。
- LPガス⇒2.2%~9.5%
- 都市ガス⇒4.6%~14.6%
上記のように、プロパンガスのほうが、都市ガスより半分の量で爆発を引き起こしやすいということです。
プロパンガスを利用されている方は、より一層ガス漏れには注意したいところですね。
プロパンガスと都市ガスのメリット・デメリット
それでは、プロパンガスと都市ガスのメリットとデメリットをまとめてみましょう。
プロパンガスのメリット・デメリット
プロパンガスのメリット
- どこでも使える
- 初期費用が安い
- 災害に強い
- 熱量が高い
プロパンガスのデメリット
- 設備費用がガス代に上乗せされる
- 配送料がかかる
- 料金調整の闇がある
都市ガスのメリット・デメリット
都市ガスのメリット
- プロパンガスより安い
- 料金の透明性が高い
- ボンベの設置場所がいらない
- 環境にやさしい
都市ガスのデメリット
- 対応エリアが限られる
- 初期費用が高い
- 災害時の復旧に時間がかかる
まとめ
今回は、新築一戸建てでプロパンガスまたは都市ガスを導入した場合の違いについて解説しました。
プロパンガスと都市ガスの主な違いは次の7つです。
7つの違い
- 使用できる場所の違い
- 初期費用の違い
- 毎月支払う料金の違い
- 災害時の普及の早さの違い
- 熱量の違い
- 重さの違い
- 爆発や燃焼を引き起こす危険性の違い
プロパンガスと都市ガスのメリットとデメリットは、次の通りです。
プロパンガスのメリット
- どこでも使える
- 初期費用が安い
- 災害に強い
- 熱量が高い
プロパンガスのデメリット
- 設備費用がガス代に上乗せされる
- 配送料がかかる
- 料金調整の闇がある
都市ガスのメリット
- プロパンガスより安い
- 料金の透明性が高い
- ボンベの設置場所がいらない
- 環境にやさしい
都市ガスのデメリット
- 対応エリアが限られる
- 初期費用が高い
- 災害時の普及に時間がかかる
プロパンガスと都市ガスの選択は、使用する環境や状況によって、メリットやデメリットが変わるので、一概にどちらが良いとは言えません。
しかし、プロパンガスを利用するなら、その地域の適正価格よりも高い料金を請求される”闇”の被害に合わないように『enepi(エネピ)』を上手に利用することが大切ですね。